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『ブックカフェものがたり 本とコーヒーのある店づくり』(矢部智子・今井京助ほか著 幻戯書房 1900円)
をいただいてから、1ヶ月以上過ぎてしまいました。(幻戯書房編集部 河上さま、ごめんなさい!)
この間、書評が書けないだけで(それが良くない!)、本自体は3度通読しました。
第1部「ブックカフェ・オーナーかく語りき」の中でいちばん好きになった京都東大路の
雑貨店+カフェ「ミハス・ピトゥー」さんの記事は5回くらい読んで。。。
花粉症が出てしまう前に必ず行きたいと思います!
思えば、この本が世に出るまでの紆余曲折に、ひそかにおつきあいしていた私なのでした。
私は2005年2月に福知山YMCAブッククラブ発足10周年を記念して 市内の喫茶店のギャラリースペースをお借りし、 2週間だけの「絵本カフェ オン ファーストステージ」を行いました。
それ以前から、ブックカフェを営んでみたくて、ネットで
「ブックカフェ」をキーワードに検索していたんです。
そして、『ブックカフェ店主になる!』との本がメタローグから出版されることを知り、
予約していたのでした。
なのに、予定の7月を過ぎても出版される気配がない。。。
それもそのはず、でした。この出版までの紆余・・・については、
第2部「ブックカフェを始める、ブックカフェを続ける」と「おわりに」を
書いておられる、Calo Bookshop&Cafe の石川あき子さんが、
[書評]のメルマガ vol.241に、「『ブックカフェものがたり』ができるまで」
と題して寄稿しておられます。
本が出て本当によかった!
まず、装丁が素敵。手にとるのがうれしくなるような。
持ち歩いて、おしゃれ。
オレンジとコーヒー色地に、表紙にはコーヒーカップ、
裏表紙には丸椅子の上に分厚い本が1冊。
おいしそうで、ほっこりして。
ブックカフェの心地よさをよくあらわしてるなー、と思います。
さて、こんな私なので、この『ブックカフェものがたり』に登場するブックカフェは、
店名などで検索し、ネット上で「来店」したことのあるところが多かったです。
幻戯書房さんのトップページの表紙画像をクリックすると、目次が開き、
さらに第一部のカフェの名前をクリックすると、店内の様子が見られます。
幻戯書房 http://www.genkishobou.com/
『ブックカフェものがたり』公式ブログ http://kawasusu.exblog.jp/
以下、目次より。
「
第2部
ブックカフェを始める、ブックカフェを続ける
本屋さんになりたい人のためのブックカフェ開業講座
飲食店としてのブックカフェ、悪戦苦闘の5年間
第3部
ほかにもたくさんある、個性派ブックカフェ
Heartland(東京 西荻窪)
Le Libraire (東京 根岸)
una camera livera (東京 中野)
Cafe Bibliotic Hello! (京都 柳馬場)
Grill & Cafe 猫町 (京都 一乗寺)
TRACTION bookcafe (京都 御倉)
古本喫茶 伽羅 (大阪 中津)
Workroom (大阪 北浜)
全国ブックカフェ&ブックギャラリー・ガイド
」
そう、ブックカフェを紹介する雑誌やミニコミの記事はけっこうあるんだけれど、
この本のように、ライターさんによる各ブックカフェオーナーへの詳細な
インタービュー記事が中心というのは、めずらしいと思います。
読み応えがありました。
第1部に登場の各ブックカフェオーナーの言葉で印象に残ったのは、
「たぶん最初に貸本というスタイルをとったことが、よかったのかなとは思っています。」
(貸本喫茶 ちょうちょぼっこ)
「オープンして1年半ぐらいですが、棚はどんどん新陳代謝して、今のほうが濃い内容になっています。・・・やはり基本は本屋ですから。」
(ボヘミアンズ・ギルド)
「この店があれば、僕は幸せですから。本当に、2店舗目もいらない。ここで生きていければ、なにも望むことはありません。」
(ミハス・ピトゥー)
「僕を含めて、人って自分が思うほど個性的ではないんですよ。とにかく開業よりも大変なのは続けていくことです。」
(ふるほん結構人 ミルクホール)
「結局、一番やりたいのは、年齢もジャンルも関係ない「境目のないギャラリー」。」
(いとへん)
「置き方は『アパート』なので、できるだけライブ感を出そうと思って、棚を整理するようなことはしていません。誰かがいた痕跡を適度に残している感じ。」
(カフェ・アパートメント)
「僕は店をオープンする際、いつも3年後の姿をイメージするようにしています。・・・ビジネスとしてやるなら『カフェが好きだ』くらいではダメ。もう『大・大・大・大好き』くらいでないと。」
(カフェ・オーディネール)
「相当のオトナ(笑)になってからの開業でしたので・・・たった一度の人生、今この瞬間を楽しみたいという気持ちと、自分がやらねばならない義務とを両立していくための手段として、共同経営という道を選んだんです。」
(文鳥舎)
「個人で古本カフェのような利益の出にくい商売を始めるなら、ほかに収入源を確保しておくのが大事だと思います。」
(よるのひるね)
この本を読む、その時々での自分の気力と体力によって、読後感が毎回ちがっていた、
ということも告白します。
つまり、気力体力とも十分なときは、このオーナーの方々のように、
自分がブックカフェを開店するのを夢見ることができます。
第2部には、開業、経営のアドバイスやヒントも満載です!
でも・・・体力低下の折には、オーナーさんの本音や経営の大変さがよく伝わるだけに、
私がブックカフェを開くのは難しい!ということ(ま、私本人以外は私を見てて誰でも思うこと)が、
自分にも思えてきます。
やっぱり、私はこれからもブックカフェの、オーナーではなくお客さん、かな(^^;
というように、煽るわけでなく、かといって、夢を壊すわけでなく、
地に足のついた、いいガイドだと思います。
で、やっぱり、関西にあるブックカフェの記事を念入りに読んでしまいます。
ほんとにほんとに行きたくなりました。そこで1日過せたら、しあわせだろうなー。
どなたか、この本に載ってるブックカフェのはしごをごいっしょくださいません?(^^)
ちょうど、『ブックカフェものがたり』共著者の矢部智子さんが、
新刊『SANTO KENCHIKU SAMPO』にあわせて
初日夜にはオープニングパーティーもあるそうです。
お近くの方はぜひ行かれては?
ご感想もお知らせください!
最後に、福知山での「ブックカフェ」の状況について。
JR福知山駅前ファミリー4階にある、喫茶・プチギャラリー「ファーストステージ」さんが
私のイメージする「ブックカフェ」に近いです。
赤ちゃんと大人のあそびば「ころころえほん」(京都府地域初未来っ子応援事業)も
毎週火曜日10:30-11:30、開催されています。参加費100円。
長田市の谷にあるログハウスの喫茶店「バンクーバー」さんにも、コミックのほかに
多数の本や写真集が置いてあるのを目撃。
京都北都信用金庫福知山中央店隣の喫茶「バンガード」さんにも、つくりつけのいい本棚があるのを目撃。
本棚の中身は見ていませんが・・・
図書館でもそうですが、カフェも家具(テーブルとか椅子)が大事ですよね。
あと、福知山鉄道館ポッポランド内の喫茶「ぽっぽや」さん。
ここは、たくさんのJR時刻表が収納された本棚に囲まれてたと思います(^^)
以上4店は、わが福知山YMCAブッククラブの絵本箱を置かせてもらいたい場所でもあります(^^)
つきなみですが、やっぱり、ブックカフェも、「人」で決まりそうですね♪
コーヒーの香る中、本と人、人と人とが出会う場所、ブックカフェ。
いつか開業するかもしれない、その日まで、この本をそばに置いておこう。
都会へ出かけるときは持っていこう。
そして、その時のために、日々、自分を磨くことをあきらめないでおきます。
ご一読をお勧めします!