「人75%、資料20%、建物5%」
「子どもの本大好きの会」でバスを仕立て、総勢19名で滋賀県内の3つの公共図書館−東近江市立八日市図書館、能登川町立図書館、愛知川町立図書館−に行ってきた7月27日(水)に、最も心に残ったフレーズです。図書館サービス上、大切な3つのこと−人(職員)、資料、建物(施設)−があります。その重要性の割合について、アメリカの公共図書館では、こう言われている、と、能登川町立図書館の才津原哲弘館長に伺いました。
「子どもの本大好きの会」のすばらしい仲間+図書館協議会・片山委員長さん、図書館のあり方を考える懇話会・拝師委員長さん、福知山市立図書館・永本司書さん、というベストメンバー!?での視察。
帰りの車中で、片山委員長は冒頭のフレーズを繰り返され、拝師委員長はメンタルな部分でとても刺激を受け、勉強になった、とおっしゃり、永本さんは、(貸出、予算などの)数字ではかなわないが、人75%、の部分でがんばりたい、と言ってくださった。みかんの木文庫・仲野さんは、福知山市立図書館にはこれから!可能性や希望がたくさんある、とおっしゃいました。私は福知山市立図書館の“よあけ”を見る気がしました〜!
ところが、帰った瞬間から早く報告を書きたくてたまらない気持ちなのに、なかなか書き出せず。子どもの夏休み中、こちらはかえって忙しく、年のせいか!?暑さもこたえ、早寝を心がける毎日・・・。なにより、今回の図書館視察で受けた刺激でシェイクされ沸き立つ心が静まり、6月末からの図書館への懐疑や怒りや諦めや・・・自分自身の高慢さなどの不純物が沈んでいくのを、待った方がいいよ、と、自分の体が教えてくれてたような気がします。これも年の功かな(^^)
「子どもの本大好きの会」でバスを仕立て、総勢19名で滋賀県内の3つの公共図書館−東近江市立八日市図書館、能登川町立図書館、愛知川町立図書館−に行ってきた7月27日(水)に、最も心に残ったフレーズです。図書館サービス上、大切な3つのこと−人(職員)、資料、建物(施設)−があります。その重要性の割合について、アメリカの公共図書館では、こう言われている、と、能登川町立図書館の才津原哲弘館長に伺いました。
「子どもの本大好きの会」のすばらしい仲間+図書館協議会・片山委員長さん、図書館のあり方を考える懇話会・拝師委員長さん、福知山市立図書館・永本司書さん、というベストメンバー!?での視察。
帰りの車中で、片山委員長は冒頭のフレーズを繰り返され、拝師委員長はメンタルな部分でとても刺激を受け、勉強になった、とおっしゃり、永本さんは、(貸出、予算などの)数字ではかなわないが、人75%、の部分でがんばりたい、と言ってくださった。みかんの木文庫・仲野さんは、福知山市立図書館にはこれから!可能性や希望がたくさんある、とおっしゃいました。私は福知山市立図書館の“よあけ”を見る気がしました〜!
ところが、帰った瞬間から早く報告を書きたくてたまらない気持ちなのに、なかなか書き出せず。子どもの夏休み中、こちらはかえって忙しく、年のせいか!?暑さもこたえ、早寝を心がける毎日・・・。なにより、今回の図書館視察で受けた刺激でシェイクされ沸き立つ心が静まり、6月末からの図書館への懐疑や怒りや諦めや・・・自分自身の高慢さなどの不純物が沈んでいくのを、待った方がいいよ、と、自分の体が教えてくれてたような気がします。これも年の功かな(^^)
ぼちぼち書いていきます。
今日はその1。東近江市立八日市図書館見学記。
2005年7月27日(水)
総勢19名で、朝8時過ぎに、三段池公園駐車場を貸し切りバスで出発。
バスの中での自己紹介、上垣さん、安川さん、恵美ちゃんによるお楽しみ企画なども、ひとつひとつ書き留めたいくらい、素敵な往路。
私は自己紹介で、とにかく今日連れて行ってもらえることのありがたさを述べました。そして、全く読書家ではないこと(^^;、9年ほど前、福知山市立図書館では未就学児には図書館利用券がなかったことに問題意識が芽生え、それはおかしい、といえる根拠のようなものを得たくて図書館司書課程を勉強したこと、「図書館は、本と人、人と人との交流舞台」だと思っていること・・・などを話しました。好きな本を言うことになっていたので、たくさんありすぎて迷いましたが、バーバラ・クーニーの『ルピナスさん』を挙げました。
恵美ちゃんが自己紹介で「本の力を信じて・・・」と言ってたのが印象的。好きな雑誌として、JPICの季刊誌『この本読んで!』を挙げてたっけ(^^)
さて、最初に見学したのは、東近江市立八日市図書館(旧八日市市立図書館)。
東近江市ホームページによると、同市は平成17年2月11日に1市4町(八日市市・神崎郡永源寺町・同郡五個荘町・愛知郡愛東町・同郡湖東町)が新設合併して誕生しました。平成17年8月1日現在の人口79,465人26,916世帯(住民基本台帳登録76,392人24,956世帯、外国人登録3,073人1,960世帯) うち65歳以上15,179人。面積317.57平方キロメートル(滋賀県総面積の約8%を占めるそうです)。議員数は、法定30人のところ告示で24人に減らしておられますが、現在の議員数は、合併特例法の在任特例により69人だそうです。任期は平成17年2月11日から平成17年10月31日までとのこと。
総勢19名で、朝8時過ぎに、三段池公園駐車場を貸し切りバスで出発。
バスの中での自己紹介、上垣さん、安川さん、恵美ちゃんによるお楽しみ企画なども、ひとつひとつ書き留めたいくらい、素敵な往路。
私は自己紹介で、とにかく今日連れて行ってもらえることのありがたさを述べました。そして、全く読書家ではないこと(^^;、9年ほど前、福知山市立図書館では未就学児には図書館利用券がなかったことに問題意識が芽生え、それはおかしい、といえる根拠のようなものを得たくて図書館司書課程を勉強したこと、「図書館は、本と人、人と人との交流舞台」だと思っていること・・・などを話しました。好きな本を言うことになっていたので、たくさんありすぎて迷いましたが、バーバラ・クーニーの『ルピナスさん』を挙げました。
恵美ちゃんが自己紹介で「本の力を信じて・・・」と言ってたのが印象的。好きな雑誌として、JPICの季刊誌『この本読んで!』を挙げてたっけ(^^)
さて、最初に見学したのは、東近江市立八日市図書館(旧八日市市立図書館)。
東近江市ホームページによると、同市は平成17年2月11日に1市4町(八日市市・神崎郡永源寺町・同郡五個荘町・愛知郡愛東町・同郡湖東町)が新設合併して誕生しました。平成17年8月1日現在の人口79,465人26,916世帯(住民基本台帳登録76,392人24,956世帯、外国人登録3,073人1,960世帯) うち65歳以上15,179人。面積317.57平方キロメートル(滋賀県総面積の約8%を占めるそうです)。議員数は、法定30人のところ告示で24人に減らしておられますが、現在の議員数は、合併特例法の在任特例により69人だそうです。任期は平成17年2月11日から平成17年10月31日までとのこと。
さて、八日市図書館は緑に囲まれた図書館という印象でした。わりと間口の狭い玄関を入ると明るい吹き抜けになっていて視界が広がり、本棚が目に飛び込んできました。入ってすぐ左側に・・・いたいた、等身大?ゴリラのぬいぐるみ.。(『ようかいち通信−人・自然・図書館』西田博志著 参照)
続いてカウンターになっており、職員の方が笑顔で迎えてくださいます。玄関ロビーでは写真展が行われていました。
わたしたち一行を2階会議室に通してくださいました。階段に道案内をするように花が飾ってあり、わくわく。はたして会議室には特大の円卓が置かれ、中央におしゃれなフラワーアレンジメント、壁には絵画が。なにかこうとても素敵なんです。
巽 寛館長が図書館の概要を説明くださいました。
いただいたレジュメは次のような内容でした。
「東近江市立八日市図書館(新館)の概要 2005.4
1.開館年月日 1985年(昭和60年)7月25日
2.所在地 東近江市八日市金屋2丁目6−25(小学校跡地)
3.開館時間 10:00〜18:00
4.休刊日 月曜日・第4金曜日・祝日・年末年始
5.建築データ 延床面積 2,289平方メートル (開架室796平方メートル)
6.統計 個人登録者 12,582人 登録率27.5%
(うち児童 3,081人 登録率49.8%)
貸出冊数 439,188冊(うち児童書145,048冊)
(参考)八日市 439,188冊、永源寺 84,470冊、五個荘 148,917冊、愛東 16,055冊、湖東 114,465冊
蔵書冊数 309,636冊(開架冊数16万冊)
移動図書館(1台) 27ヶ所 巡回周期3週間 利用冊数28,780冊
7.図書館づくりで大切にされたこと
A建築上の配慮
・図書館規模
・親しみやすく入りやすい
・自由に気軽に利用できること
B資料費の維持
・市民の向上心に刺激と感動を与える、資料・情報の収集と提供
・雑誌の重視
C図書館運営を支える人の確保
・専任職員(司書9人)の配置
・司書の定着→力の蓄積と高まり(cf.毎日のミーティング)
8.運営上ポイントにしてきていること
A資料・情報の提供
・利用者を待っている図書館
・1度行けば2度行きたくなる図書館
・必ず何か収穫がある図書館
・読みたい本は必ず用意してくれる図書館
B本の力を大切に
C人生の可能性への支援
D住民とともにつくる
」
続いてカウンターになっており、職員の方が笑顔で迎えてくださいます。玄関ロビーでは写真展が行われていました。
わたしたち一行を2階会議室に通してくださいました。階段に道案内をするように花が飾ってあり、わくわく。はたして会議室には特大の円卓が置かれ、中央におしゃれなフラワーアレンジメント、壁には絵画が。なにかこうとても素敵なんです。
巽 寛館長が図書館の概要を説明くださいました。
いただいたレジュメは次のような内容でした。
「東近江市立八日市図書館(新館)の概要 2005.4
1.開館年月日 1985年(昭和60年)7月25日
2.所在地 東近江市八日市金屋2丁目6−25(小学校跡地)
3.開館時間 10:00〜18:00
4.休刊日 月曜日・第4金曜日・祝日・年末年始
5.建築データ 延床面積 2,289平方メートル (開架室796平方メートル)
6.統計 個人登録者 12,582人 登録率27.5%
(うち児童 3,081人 登録率49.8%)
貸出冊数 439,188冊(うち児童書145,048冊)
(参考)八日市 439,188冊、永源寺 84,470冊、五個荘 148,917冊、愛東 16,055冊、湖東 114,465冊
蔵書冊数 309,636冊(開架冊数16万冊)
移動図書館(1台) 27ヶ所 巡回周期3週間 利用冊数28,780冊
7.図書館づくりで大切にされたこと
A建築上の配慮
・図書館規模
・親しみやすく入りやすい
・自由に気軽に利用できること
B資料費の維持
・市民の向上心に刺激と感動を与える、資料・情報の収集と提供
・雑誌の重視
C図書館運営を支える人の確保
・専任職員(司書9人)の配置
・司書の定着→力の蓄積と高まり(cf.毎日のミーティング)
8.運営上ポイントにしてきていること
A資料・情報の提供
・利用者を待っている図書館
・1度行けば2度行きたくなる図書館
・必ず何か収穫がある図書館
・読みたい本は必ず用意してくれる図書館
B本の力を大切に
C人生の可能性への支援
D住民とともにつくる
」
以下は当日の私のノートから。( )内は私の感想、補足。その他は巽館長の説明。
・移動図書館は、図書館から1km以上離れた保育園全てを巡回。
・市民は図書館へ「くつろぎ」にやってくる。
・アットホームな規模を実現。
・入り口は勝手口風。役所の建物として見られているので、敷居の低さ、気軽さをアピール。
・本棚の高さは170cm。下の方は はめごろし。妊婦さんでも本を取り出しやすいように。
・本棚の間は180cm。背中合わせに本をみている人の間を通れる間隔。車椅子も余裕で通れる。
・「市民の向上心に刺激と感動を与える」(感動!)
・図書館に頼っていっていいんだな、と市民に思われることが大切。
・オープン時のみ資料を大量購入することは×
・8年前の本はもう見てもらえない。
・新鮮率:本棚の15%を更新することがめやす。
・資料が古いままだと市民は来なくなる。
・雑誌の重視。雑誌は500種!
・司書8名 全員正規職員。
・開館20年たっても利用が伸び続けている。
・初代館長には、公共図書館の経験者を招いた。(初代館長は西田博志氏)
・職員を育てるため、異動なし。
・午前10時の開館前15分間は全員でミーティング。花のこと、風通しのこと、ブラインドのこと・・・細かいことも全員で考える。
・利用者を待っている図書館。たくさん来てもらえるように。リピーターの確保。行くと何かある図書館。2階にコーヒーコーナー。
・リクエストに応える。利用者がリクエストを遠慮すると、どんな本をそろえたらいいかわからなくなる。
・市町立図書館で買えない本は滋賀県立図書館が買ってくれる。
・県立図書館がしっかりしているから、職員は明るく仕事ができる。(前川恒雄氏は八日市市立図書館開館時に滋賀県立図書館長だった)
・本の力を大切に (行きのバスで恵美ちゃんが言った言葉だ!)
・図書館の町づくりへのかかわり
・朝読書は、千葉県船橋市内の女子高でスタート。他人のことを思いやれるようになる。想像力が育つ。
・図書館をなぜ公的にやらねばならないか。本を読む人が増えると、考える人、創造する人が増える。図書館の果たす役割がそこにある。(人づくりは、まちづくり)。本を読むことによって芽生えるものがある。
・図書館は人相手の仕事。相手の知りたいこと、楽しみたいこと、ひとりひとりが生きてゆくことへの支援。
・秋吉敏子さん(『国際ジャズ名誉の殿堂』入リを果たした、日本が世界に誇る天才ジャズ・ピアニスト)がNHKのインタビューに答えて、人を思いやる心、人生の可能性への挑戦、ということをおっしゃっていた。それはそのまま、図書館の仕事である。
・図書館のがんばりによって、日本がよくなる!(福知山も!)
・住民とともにつくる。協働。市民を司書の専門知識で支援する。
・職員(司書)は2年連続増員されている。(司書採用試験問題例)
・巽館長は民間の会社にまず就職し、すぐに退職。その後、勉強され、大阪市立図書館に入職。(私の質問に答えてくださった)
・初代・西田館長は、大阪府立図書館に勤務されていた。
・どうすれば図書館がよくなるか考える活気があふれている。
・図書館には人を喜ばせるサービス力が必要、と、図書館職員研修会にホテルマンを招き勉強したこともある。
・市民一人当たり資料費について私が質問したところ、市町合併前のデータでは、八日市市669円、永源寺町1,880円、五個荘町642円、愛東町1,141円、湖東町2,079円とのこと。(福知山市の市民一人当たり資料費70円・・・(TT))
・八日市の図書館費(人件費を入れて)は、市一般会計予算の平均1%に当たる。
・図書館にそれだけのお金をかける値打ちがあると思われている。
・資料費は毎年かけつづけること。建物、人だけでは限界がある。
・武村正義知事(新党さきがけの・・・)の時代に、いい県立図書館になろうと思ったら、いい市町村立図書館をつくらねば、と。(前川恒雄さんを滋賀県立図書館に招聘されたのも武村さん)
・八日市市図書館の延床面積も1,300?uの予定だったのが、県からの働きかけで現在の2,300?uになった。
・県立図書館は、市町村立図書館の建設補助、資料購入補助を続けている。(片山図書館協議会委員長の質問に答えて)
・図書館が市民1人1人にどう役だっているか、その豊かさが目に見えるように
・自分の図書館だから、花を生けに来てくれる。(うっとこの図書館!)
・図書館友の会はないが、「人と自然を考える会」が図書館を応援してくれている。ピアノ演奏や花生け、展示会等々・・・
・図書館は人が豊かに生きるためにある。
穏やかな物腰の巽館長さんなのに、なにかこう、その哲学に圧倒された。ほんものの図書館って、こうなんだ。地元の図書館を思い、なんだか複雑な気持ちになりつつ、会議室でのレクチャーの後、2階の「風倒木」のコーナー、1階開架室を、足早に見学。
いかに濃厚な1日だったことか!
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